ラウル・デュフィ(RAOUL DUFY)
ラウル・デュフィ(1877ー1953)はフランス北岸の街ル・アーブル生まれ。
76歳で亡くなるまでに絵画、版画、舞台美術、絹織物などのテキスタイルといった芸術や服飾デザインの分野で創造性あふれる数々の作品を生み出しました。
デュフィの特筆すべき点として服飾デザイナーとしての成功が挙げられます。
鮮やかな色彩だけでなく、画家ならではの新鮮なパターンを用いた布地は上流階級の女性の間で大変な評判を呼びました。
明るく活気に溢れた作品だけを見ているといかにも幸福な日々を謳歌した印象の強いデュフィですが、その生涯は決して平坦な道のりではありませんでした。
裕福とはいえない家庭に生まれたデュフィは14歳の時に中学校を中退して働きに出ています。人生の半ばまでなかなか画業が認められず、生活も苦しかったといわれています。
やっと画家としての評価を固めつつあったころにはリウマチを発症し長期療養を余儀なくされます。
2度の戦渦、自身の境遇や病気。
誰にとっても思い通りにはいかない人生という旅の中でも、デュフィは絶えず明るい側面を描き続けました。 そういった表には見えにくい部分も含めてデュフィの作品は現代でも多くの共感を生み、人々を惹きつけてやみません。